ハワイでゴロゴロしながら読書三昧。ということで何を持っていこうかと悩んでいたとき、アマゾン見つけた本です。ノンフィクション分野でかなりの数の人からの推薦があったので呼んでみました。
タイトルに出ているファインマンさんは、日本の朝永振一郎と一緒にノーベル物理学書を受賞した賞を受賞したアメリカの量子物理学者。この本、そのファインマンさんが綴った自伝です。
物理学者の自伝なんていうとつまらないものように思えますが、しかしこのファインマンさん、なかなか楽しい人のようで、いろんなエピソードがたくさんで、さすがamazonでお勧めする人が多いのも分かります。
夢の研究と称して、幽体離脱のようなことに挑戦したり、あのロスアラモス研究所では単純な興味から金庫破りに熱中し、あちこちで金庫を開けて騒動を引き起こしたり、本堂に「ご冗談でしょう、ファインマンさん」です(笑)
私は面白いなと思ったのは、ブラジルでのエピソード。
ブラジルで教鞭をとることとなったファインマンさん、サンバに興味を持つようになり、とうとうサンバチームに参加してしまうのです。担当は、「フリジデイラ」という15cm程のフライパンを鉄の棒で叩くという楽器。この楽器はカンカンと小刻みで早い音でサンバのリズムをサポートするので結構重要な楽器だと思うのですが、これでチームのリーダーに認められたばかりか、サンバの衣装を着てコパカバーナの目抜き通りをパレードしてしまうのです。そこまでのめりこむのは凄いですよね。
そうそうバーでのエピソードも面白いですね。
ニューメキシコではショーの司会者と仲良くなってバーで女性の引っ掛け方を教わったり、ラスベガスでは踊り子と仲良くなって、地元での顔役の一人のカバン持ちとなって夜の街を練り歩くようなことをやったり、いやー何やってんでしょう、ファインマンさん!
もちろんこういうエピソードだけではありません。
なんにでも興味を持ち、わからないことは素直にその道のプロに教えを乞うことは厭わず、人生を楽しむ一方で、納得行かないことはたとえその道の第一人者でも議論をふっかけるような話ももちろんのってます。
でもその手の話よりも、こういう馬鹿話の方がやっぱりが楽しいですよね。すっかりファインマンさんの人柄に惹かれてしまいました。続編があるそうなので読んでみたいと思います。
著 者:リチャード P. ファインマン
訳 者:大貫 昌子
出版社:岩波書店
文庫版:343ページ・
価 格:各 1,115円
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