「神様のカルテ」というタイトル、「神の手を持つ医者はいなくても、この病院では奇跡がおきる。」というコピー、このいかにもというタイトルとキャッチコピーははっきり言って普段の私なら読むことはないでしょう。
けれど本屋大賞を受賞、さらには書店員オススメと言うPOPをみて思わず手にとってしまい、そのままお買い上げとなりました(笑)
いやでも店員さんオススメの言葉に違わず良かったです。主人公はちょっと風変わりの地方病院の医者。出身医大の医局制度にはむかいながら、けれど真摯に日々の激務をこなしている医者です。
そんな彼を支えるのは、彼のボロアパートの隣人たちと可憐な妻、そして頼もしい同僚たち。そんな周りの人達に支えられながらも、真摯に患者さんと接していきます。そこには「神様」も「奇跡」もありません。あるのは周りの人達との信頼だけ。
けれど末期の癌を抱えた患者とのこころのふれあい、信頼関係はとても暖かく、こころを打ちます。とかく冷たい評価をくだされがちな医者ですが、そこには人りの人間として一緒に患者と悩む姿が有ります。
基本的に性善説にたったような登場人物、真摯に生きるということを考えさせられるこの話はとても読んで良かったと思います。ちなみにこの本、発刊にあたり改題されているとか。私にはどうしてもこのタイトルがしっくりこないので、原題がなんだったのかとても気になるところです。
人との触れ合いや人生それこそが神を感じさせる「神様の思し召し」であり「神様のカルテ」なのかもしれませんが、なんか医者の話であるということを強調するかのようなカルテという言葉がちょっと引っかかるひねくれ者なので。案の定、著者は主人公同様、長野県の病院に努める医者だそうでした。
近年小説を書く医者は多いのですが、チーム・バチスタの栄光の海堂 尊や失楽園の渡辺淳一と違ったジャンルで、とても好感が持てる(あくまで個人的見解ですよ)小説家が出てきたなぁと思いました。しかも著者は32歳と若いですし...
この作品がデビュー作だそうですが、次回作がとても楽しみです。
著 者 夏川草介
ジャンル 小説
出版社 小学館
四六版 208ページ
価 格 1,260円
(^-^)yomikakiさんの↑内容を拝見していたら、
私…読んでみたくなりました。
あの本の題名のままでは、関心を抱かなかったかも。
デビュー作の作品なのですか!!
機会があれば、書店で見てみまーす☆
投稿情報: chicchi^^/ | 2010/03/02 07:21
chicchiさん
なかなか良かったですよこの本。
それにしても、ちょっとタイトルがねぇ~
とりあえず本屋でパラパラ見て気にったら買ってみては如何でしょう(図書館で借りるという手も)
投稿情報: yomikaki | 2010/03/04 08:14