どこかに取り残されたことがありますか?そう、家から遠く離れた見慣れる場所で。
家族と仲間と一緒にいた時は楽しかったその場所が、急に今までと全く違うよそよそしい場所に思えてきたりします。
この本は、家から遠い、遠く離れた宇宙に取り残された男たちの話です。
アメリカやロシア、それに日本など11ヵ国が協力して建設を進めている国際宇宙ステーション(ISS)。そこへの物資や人員の輸送を担っていたスペースシャトルが、コロンビア号の事故で運用停止を余儀なくされた。
果たして軌道上に残された3人の男たちの運命やいかに...
とまあ、そんな感じの話です。
ただ、以前読んだライディング・ロケットは宇宙飛行士自身が書いた本でしたが、この本はノンフィクションライターが書いた本。だからか、客観的に事実を淡々と冷静に書いています。
もしろん心理的描写はあるにはあるけど、あまり生々しさがありません。
そのぶん宇宙に取り残された側からだけでなく、残された家族の話、管制センター側の話などいろいろな角度からこの事件をどう乗り越えていったのかを綴っています。
最終的には彼らはロシアの宇宙船ソユーズで帰還する訳なのですが、その帰還もまた一悶着。
着陸予定場所が500kmずれただけでなく、地球に帰還後、数時間もカザフスタンの草原で発見されずにいたというのも、この本を読んで初めて知りました。
宇宙には行ってみたい気がするけど、まだまだ簡単には行って帰ってこれなさそうですね。
著 者:クリス・ジョーンズ
訳 者:河野純治
ジャンル:ノンフィクション
出版社:光文社
四六版:484ページ
価 格:2,415円
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