読書の秋という訳か、ここんとこ、怒涛の勢いで本を読んでます(笑)
今度は「T.R.Y.」 昨年かな?織田裕二主演で映画化されました。
明治の終わり辛亥革命直前、日本陸軍の高官の思惑、革命を起こそうとする中国の人たち、日本に併合されたうらみをもつ朝鮮の人。上海と東京を舞台に、詐欺師、井沢修が大きな時代のうねりに巻き込まれるようにペテンをたくらみます
時代考証もしっかりしていて、読んでいて自然に明治末期の時代背景が頭に入ってきます。そして鮮やかな詐欺の手口、スティング的要素もあって面白かったです。
ただ、もう少しぐぐっと引き込まれるような文章だと良かったかな?プロットがしっかりしてるだけに残念。最後の話も凝りすぎのような気がします。脚本次第ですが、映画の方が面白いかもしれませんね。どうだったんだろう?
やっぱり詐欺といえば、スティングですよね。あの映画は、今まで見た映画の中で一番面白かったです。アカデミー賞総なめというのもわかります。詐欺の話だからといってスティングと比べてしまうのは、ちょっと酷かな?
あういう詐欺師ってかっこいいですよね。騙すのは悪い金持ちだけ。そして計画は緻密に、行動は大胆に、華麗に。そんな風に頭と口先で大金持ちを騙すなんてスカッとしますよね。
私はそんなに頭も良くないし、口もたたないので詐欺師にはなれませんが...(笑)
T.R.Y.
著者 井上尚登
ジャンル 小説
出版社 角川書店
四六判 373ページ
価格 1,575円
※文庫版もあり
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