つい先日、世界で初めて鰻の卵を発見したというニュースが駆け巡ったのを覚えていますでしょうか?
日本人なら大好きな鰻ですが、その生態は謎に包まれています。それどころか鮭と逆で、海で生まれ川に遡ってくるらしいのですが、それですら俄には信じがたいですよね。
ただニホンウナギの場合、マリアナ諸島付近で稚魚が見つかっていることから、そういう生態は紛れもない事実、しかし卵の状態での発見というのは今まで皆無。世界で亜種を含め19種いるウナギですが、それらを含めてもも卵の発見は世界初の快挙なのです。
その快挙を成し遂げたのが、この本の著者である青山さんの研究グループ。代表として新聞でも名前が出てくる塚本先生もこの本に登場しますよ~。
マリアナ海溝で卵を発見というニュースから分かるように、青山さんの研究グループはフィールドワークがベース、この本ではまだどの大学も成し遂げていないという、世界中のウナギの標本を揃えるという野望(笑)に燃え、アフリカの大地を駆け巡る珍道中を綴った本です。
最後のラビアータというウナギの標本を求め、アフリカのマラウイ(という国があるんですね。知らなかった)へ。
研究費が潤沢にある訳でなく、しかもウナギがいつ捕まるのか分からないので旅費は切り詰めての貧乏旅行。
バックパッカーなら好きなところにふらりと行ける訳ですが、ラビアータを求めるという目的があるため、行くところはウナギがいるところ。宿だってウナギ優先、強盗やバブーンとう巨大なヒヒが登場する宿などなど、苦労してますねぇ...
移動だって大変
現地の人と押し合いへし合いしながらのへのバスへ飛び乗りや、現地のタクシーに田舎道に放り出されたり、ヒッチハイクで乗ったトレーラーの荷台、じゃがいもの上で国境を超えたり、およそ東大の先生とは思えない旅をしてますねぇ...
単純にバックパッカー(失礼?)の旅行記としても、面白く読めました。
続編が出ているらしいので、そちらも読んでみたいと思います。
著 者:青山 潤
出版社:講談社
四六版:294ページ・
価 格:各 1,680円
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