東野圭吾の加賀恭一郎シリーズで現在、阿部寛主演でドラマ放映中の「新参者」。東野圭吾は私も好きでよく読むのですが、実はこの加賀恭一郎シリーズは読んだことがなく、本作が始めて。
日本橋で発生した殺人事件、その殺人事件の真相に日本橋署に着任したての加賀恭一郎が迫るというストーリーで、全部で九章から成り立っているお話です。それぞれの章は日本橋に住む人々の視線から書かれていて、主人公であるはずの加賀恭一郎はチラチラとしか登場しないという、面白い組み立てで話は進みます。
話の視線が、日本橋に住む人々側から書かれているので、まるで読者が日本橋の住民になったような感じになります。 瀬戸物屋の嫁姑の話、時計屋の勘当した娘の話、一見、突き放したような関係でも心の底では思いやっている下町の人情を感じるようなエピソードがまるで隣の家の話のように入ってきます。
もちろん殺人事件を解決するとういう推理小説ではあるんですが、単純にミステリーだけではないところが、流石、東野圭吾、と感じさせる話でした。様々なタイプの話をいろんな書き方で書ける小説家って、そういないですよね。ぱっと思いつくのはスティーブン・キング位。まああのヒトの場合は翻訳家によって雰囲気が変わっているところもあるんでしょうけど。
加賀恭一郎の他の話も読んでみたいと思います。
著者 東野圭吾
出版社 講談社
四六版 354ページ
価 格 1,680円
新参者、ドラマを見ています。
東野圭吾作品は読んだことがなくて、新参者も書店でみかけたのですが、とりあえずドラマが終わるまでガマン。
投稿情報: Bake | 2010/05/21 10:33
Bakeさん、ドラマは面白いですか?
小説の方は加賀恭一郎の存在がすこし薄いのですが、ドラマでは阿部寛が全面に出てるのかな?
是非、小説の方も読んでみて下さいね
投稿情報: yomikaki | 2010/05/23 12:15