じゃかすかじゃすか、それこそ毎日のように届くSPAMメール。
人妻秘密交際倶楽部の招待状やら、穴場馬券を当てる方法などいかにも怪しいメールが来るかと思えば、北川じゅんこさんなる、こんな知り合いいたっけなんて個人名のものもあります。
もちろん海外からバイアグラやルイビトンなどのバーゲンセールのご案内も届きます。
どこからメールアドレスが漏れているのは判りませんが、凄いですよねぇ。
私の場合G-mailをSPAMフィルタに使っているので、まずこれらのメールに悩まされることは無いのですが、SPAMじゃないメールが迷惑フォルダに落ちてないか、時折チェックしています。
もちろんそれらのメールは開きもしないのですが、これクリックしたらどうなるんだろう?ひょっとして...と、あるわけないのにちょっぴり興味が惹かれます。
この本はタイトル通り、ズバリそれらのメールを「クリックしたら、こうなった」というルポです。
第一章は無料の占い、第二章は女性とつきあってかつ援助金をもらえるというもの、第三章はすぐに儲かる情報商材ビジネスなど、まあいろんなSPAMにいちいち反応してます。
それも初っ端から取材姿勢ではなく、ひょっとしてという一般市民と同様の姿勢でクリックしてますから、著者も騙されること騙されること(笑)。泥棒に追い銭状態はもう当たり前です。だからこそのリアル感もあるし、面白く読めました。こんなの自分はひっかからないなと思ってはいるものの、結構巧妙な手口のものもあったりして凄く勉強になりました。
最後の章には、著者の前作を読んだ方からの相談があり、被害者と業者、そして消費者相談センターとの間をうまく繋ぎ、解決へと奮闘する姿も描かれてます。そこで感じたのはやはり消費者センターと言えども万能では無いこと。最近消費者庁など立ち上がりましたが、やはり対応すべき件数が多すぎて、一件一件の対応は薄くなりがちのようです。やっぱり自分の身は自分で守る、それが原則ですね。
SPAMメールのその先や、こういう違法(またはスレスレ)の業者の実情を知りたい方にお勧めです。
著 者:多田文明
ジャンル:ルポルタージュ
出版社:メディアファクトリー
四六版:240ページ
価 格:1,050円
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