見てきたのは「劔岳 点の記」。地図マニアで山屋で(最近チトご無沙汰だけど)、新田二郎も好きとくれば見逃すワケには行きません。で、休みを取った木曜日の午前中に行ってきました。
平日の午前ですから空いているのだろうなという予想にたがわず、観客は少なかったです。
しかし驚いたのはその客層。
もう来ているのは定年過ぎのおじさま、おばさまばかり。そう私なんて青二才の洟垂れ小僧、いやいやいや、その集団の中で光るナウなヤングですよw
考えてみれば最近山に行っても、私は若い方。
夏休み期間であっても、高校生や大学生のパーティは見ないもんなぁ...
まあそれはさておき、映画。
良かったかと聞かれれば、間違いなく良かった!面白かったと答えますが、それが万人に通じるものかというと...
いや宮崎あおいちゃん演じる新妻はとてもかわいくて、ウチの嫁と取り替えたくw、それだけで見る価値があるという人もいるでしょうし、劔岳周辺の自然の姿はそれだけで一見の価値があります。
また陸軍陸地測量部と日本山岳会のライバル関係は、単に敵視するというのではなく、相手をリスペクトするいい意味でのライバルであり、その物語もすばらしいものです。
しかし、原作を読んだ身とするとなんでこんな脚本になる?という点が多々あります。
全般を通じて感じたのは映画では原作に比べ、案内人長次郎の存在感が大きくなっているんですよね。そもそも長次郎の息子なんて原作に出てきたっけ?(ひょっとして忘れてるだけかなぁ)
正直、浅田忠信演じる測量官、柴崎の存在を喰っちゃうくらいの存在感が香川照之演じる長次郎にありました。まあコレは俳優としての力量の差もあるのかもしれませんが。
あとは脚本なのか編集なのかなんだかわかりませんが、劔岳登頂のシーンがあっけないというか、盛り上がりに欠けるというか... 確か原作では難航不落の劔岳を初登頂するルートを上る際に困難な岩を乗り越える話があったような気がするんですが、それが無い。
しかもいつの間にやら山頂にいたりするので、えっ?ココが山頂??という感じになってしまいました。
といろいろ書いたものの、雄大な自然に対峙する男たちのノンフィクションとしていろんな人に見てもらえたらなぁと思いました。
そうそうこの映画を見る際には事前に劔岳周辺の地理を頭に入れておいたほうが楽しめる気がします。
全部は覚えるのは無理にしても、劔岳、劔沢、別山と別山乗越、劔御前、長次郎谷(旧名称:三の沢)、室堂位置関係くらいは頭に入れておいたほうが楽しめます(なにせ映画中、地図は出てこないので)。もしよろしければワタシが昔登った時の記事も見ていただけると幸いです。
そうそう映画を見ないまでも、オフィシャルサイトの劔岳の風景はとてもすばらしいので一見の価値がありますよ~
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