図書館で予約をしていた川上弘美の本がやっと(8ヶ月くらい?)きました。
主人公は 夫に浮気されたのゆり(それにしても"のゆり"って名前、よみづらいし書きづらい...)。
その事実を知った後、夫を責めるワケでもなく、離婚するだとか相手と別れろだとか主張するワケでもなく、どうしていいのか分からずそのままの毎日を続けるのゆり...
自分の気持ちがわからないというか、決められないというのはわかりますが、その自分が知っているという事実を夫に知らせつつ、そのまんまというのは、夫(男)としてみれば非常に怖い!実際、のゆりがなにを考えていたのかは別として、蛇の生殺し状態ですからねぇ
実際のところは何かいたぶってやろうとか、そういう意図が合ったわけでなく、なんだか自分の気持ちが分からず、一種の思考停止状態だったんでしょうけどね。
川上弘美の主人公っぽいといえばその通りなんですけど、いつにも増して女々しいですよね。いつもはもっと飄々としているよな気がするけど...
のゆりの気持ちがはっきりしてくるにつれ、夫の方の気持ちも揺れてくる、最後は元の鞘に収まるような感じで終わりましたけど、この後どうなるのかなぁ。
なんかいつもの川上弘美とは毛色が違う話でした。
著 者:川上弘美
出版社:集英社
四六版:285ページ
価 格:1,470円
コメント