日系人でありながら、シカゴのマフィアのドンの片腕にまでに上り詰めたTOKYO JOEことケン・エトーがマフィアの告発者となりマフィアを壊滅に追い込んだ事件を綴った本です。
著者はそのTOKYO JOEの尋問にあたったFBIの女性捜査官 エレイン・スミス。マフィアの幹部に日系人がいたという事実だけでも興味深いのに、告発者となったというところは益々、この本を読まなければという気になります。
しかし...
はっきり言って、ってこの本面白くない!久々にこんなカス(失礼!)のノンフィクションに出会いました。
普通ノンフィクションというのは、題材の事実だけでも面白いんで、よほどのコトがないと面白くないなんてことはないんですけどね。
でだしはいいんですよ。
プロローグもカッコイイし、マフィアに対するのはFBIの女性捜査官というシュチエーションは、まるでサラ・パレッキーの探偵小説の主人公、V.I.ウォーショースキーのよう(舞台もシカゴだしね)。
ところが読み進めるうちにそれは失望へと変わっていきます。
著者はFBI長官の諮問委員会のメンバーを務めるくらいですから優秀なんでしょう。だけどこの著者がどうTOKYO JOEのことを調べ尋問し、情報を引き出したかということがぜんぜん書かれていないんですよね。それどころか書いてあることが、系統だって書かれている気がしない。まるで備忘録です。
なんかやっつけ仕事っぽいんですけど。
せっかくの面白い題材なので、もうちょっと構成考えてもらえれば面白いのに...ちょっと残念です。
著 者:エレイン・スミス
訳 者:山西三穂子
出版社:講談社
四六版:335ページ
価 格:1,890円
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