この11編はまったく関係ない話ではなく、話中の登場人物がどこかしらで繋がっているオムニバス形式になっています。
読み始めた時は判らなかったけど、読み進めるに従ってアレっ?と思い、前のページを読み返すようになりました。でもこういう人の繋がりって、小説だけでなく結構現実の世界でもありますよね。
しかし読み終えてから気づき、そして驚いたのだけど、この11編、男性が主人公である話が半分を占めているんですよね。
いや半分というより、今まで川上弘美さんの小説って女性が主人公で、男性が主人公の話って皆無だったような気がします。
でもそんなことを感じさせないくらい違和感が無かったです。
たとえば女性にだらしない父親を持った譲が主人公の「午前六時のバケツ」、ガールフレンドとけんかして仲直りしているくだりなんて(ことのつまり、女ってわからないってヤツですが...苦笑)って、すごく納得してしまったりして。
久々の川上弘美ワールド、堪能しました。
どこから行っても遠い町
著 者:川上 弘美
ジャンル:小説
出版社:新潮社
四六版294ページ
価 格:1,575円
yomikakiさん☆こんばんは
だらしない奴だからダメってわけでもないし、きちんとした人だからイイってわけでもない所が、人間関係の面白いところだと思うんです。
ちょっと変な人の方が引っかかり所が多くて、惹かれてしまうのかもしれません。(^^ゞ
投稿情報: Roko | 2009/01/31 23:39
Rokoさん
そうですよね。みんな完璧で変わりがなかったら、人間関係っておもしろみも何もなくなってしまいます。
だれもがちょっと変、それぐらいがちょうどいいかな(笑)
投稿情報: yomikaki | 2009/02/01 10:34