Bunkamuraへアンドリュー・ワイエス展を見に行ってきました。
今回の展示は、丸沼芸術の森とアンドリュー・ワイエス夫妻のたくさんの習作と国内外の美術館のワイエスの所蔵作品150点で構成された「創造への道程(みち)」です。
金曜の夜に行ったのですが、それほど混んでなくて落ち着いて見ることができました。
しかし、同じ金曜の夜だったフェルメール展とまったく違う客層にちょっと驚き。グッと若いんですよね、客層が。
というより、フェルメール展にいたミーハーなオバちゃんたちがいないと言ったほうが正解かな?
あとは場所柄かもしれませんが、会社帰りらしきカップルが多かった(ウチみたいな夫婦という感じじゃなくて)
展示は、鉛筆、水彩、ドライブラッシュなどの手法で描かれた習作を辿ることによって、ワイエスがどのように考え、最終的に作品を完成させたのか、創造の過程を知るというものです。
こうして習作を見ていると、ワイエスのディテールへのこだわり、やっぱりすごいですね。
そして絵の構成の試行錯誤の様子、いろいろと悩んでいる様子がうかがえます。
「卵の計量器」は習作の段階ではあきらかにアルヴェロ(ワイエスが追い続けたモデル、クリスティーナの弟)がメインなのに、完成した「卵の計量器」ではアルヴェロを省き卵の計量器をメインにしているなど、創作の過程が感じられて良かったですね。
技法による質感の違いも、興味深かった。
「火打ち石」は、鉛筆、水彩の習作を経て、最後はテンペラで完成させているのですが、この作品の場合習作でもほぼ完成品に近いんです(若干、構図が違いますが)。
でも技法の違いによって、作品の質感がまったく違う。凄いとしかいいようが無いですね。ちなみに、今回、カタログを買って帰ったのですが、当然のごとく、印刷物じゃ、この質感の違いは感じられませんでした。
あと新たな発見もありました。
ワイエスの絵は茶系の暗い基調で寂寞とした絵が多いのですが、その中で青いモチーフがある作品(「卵の計量器」など)があります。
その青は、周りの色調から浮きだち、より青く感じられて私はとても好きなのですが、同様の色使いで赤いものもあるんですね。今回展示されていた「煮炊き用薪ストーブ」の窓際のゼラニウムの赤はとても鮮やかで目を惹きます。なかなか赤いのもいいですね。
時間にして2時間弱でしたが、ワイエスの世界にどっぷり浸れました。
そして...やっぱり、フェルメール展同様に絵の舞台、メイン州のオルソン・ハウス、ペンシルバニア州のカーナー農場に行きたくなりました(笑)
でも行くとしたら暖かくなってからだな...
Bunkamuraでの展示は12/23までですが、この後、愛知県美術館(1/4-3/8)、福島県立美術館(3/17-5/10)と巡回していきます。もう一度、見に行こうかな...
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