半世紀前に独立したアフリカの国々。
豊かな自然、豊富な資源を持ちその未来は明るいはずだった。しかし現在の状況は...
アフリカという大陸にはなぜ失敗国家が多いのか?という点を30年間に渡り追い求めた元新聞記者である著者のレポートです。
どうしてもアフリカ関連のニュースというとジンバブエの超ハイパーインフレやスーダンのダルフール問題、ソマリア沖の海賊などネガティブなものばかり。考えてみると、ここ数年どころか長い間、アフリカ関連の話題で明るいモノがあった記憶がありません。
元々、アフリカは暗黒の大陸なのか?そう考えが頭の中をよぎってしまうくらいです。
しかしこの本を読むと決してそんなことでは無かったということが判ります。
たとえばジンバブエ。
独立から10年ほど順調に国作りが進み、農業輸出国であったはずなのに、政治的腐敗が進み国が壊れていく(インフレ率、なんと897垓%! はっきり言って数えられません)
アフリカ諸国の政府はなぜ腐敗していくのか?アフリカ人は駄目な人たちなのか?
この本では明治維新後の日本を引き合いに出して説明しています。
つまり外敵が多く一致団結して強い国作りをしなければ外国に飲み尽くされてしまう恐れがあった明治維新後の日本と、外敵がいない為、国としてまとまる必要が無かったアフリカ諸国。
ちょっと暴論のような気もしますが、でも一理はあるような気もします。
今度は明治維新後の日本についての本を読んでみたくなりました。
アフリカ・レポート―壊れる国、生きる人々 (岩波新書 新赤版 1146)
著 者:松本仁一
ジャンル:ノンフィクション
出版社:岩波書店
新書版205ページ
価 格:735円
コメント