本屋を巡回していて見つけた本、帯という範疇をすでに凌駕している太い帯(表紙の半分以上の太さなんだもの)に描かれた
ドイツで「ダ・ヴィンチ・コード」からベストセラー第一位の座を奪った驚異の小説、ついに日本上陸
との文字に目を惹かれて手にとってしまいました。
とりあえず上巻だけ買って面白くなかったら止めようと思ったのですが、残り二冊も買う羽目になりました。
しかしこの本、長い!
ドイツ人は長編を好むとどこかで目にした記憶がありますが、まさにその通り。
文庫本とは言えども上中下の三巻構成で各巻550ページあまりあれば、もうお腹いっぱいです。
話は主にノルウェーとカナダで進みます。
ノルウェーの大陸棚のメタンハイドレードに突如現れたゴカイの群れ、本来深海底の熱水鉱床にいるはずのゴカイがなぜこんなところに現れたのか?
一方、カナダでは、ホエールウォッチング等で親しんできたはずの鯨やイルカたちが、突如として人や船を襲い始めます。突然人類に牙をむき始めた海。
その原因を調べていく内にある仮説が出てきます。海に何かいるのではないかと...
熱塩循環やメタンハイドレードなどの研究結果を基に綴られたこの話、まさにSFというのにぴったり。しかも読んでいて光景が目に浮かぶような記述は始めから映画化を考えているかのようです。
話にはグイグイと引き込まれて、一気に読んでしまいました。面白かった!
でも難点を言うとすると、やっぱり長い!
それに登場人物が多過ぎ、はっきり言ってサブの登場人物はなんだかごっちゃになってしまいました。あとオチがちょっと...なんだかフラストレーションが溜まる終わり方なんですよね。この手の話は終わらせ方が非常に難しいとは思うのですけど。
科学的説明に耐えられる方、長編でも大丈夫という方にはとてもお勧めですが、そうでない人は途中で放り投げるコトになるかも(笑) そういういう方は映画を待つのが吉かも
ちなみに近影を見たら、著者のフランク・シェッツィングさん、とてもハンサムな方なんですね。こりゃ映画のどこかにチョイ役で出てきますよ、絶対(笑)
著 者:フランク・シェッツィング
訳 者:北川 和代
ジャンル:海外SF小説
出版社:早川書房
文庫版:(上)540ページ (中)568ページ (下)550ページ
価 格:各巻 840ページ
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