マット・デイモン主演でヒットした映画「ジェイソン・ボーン」シリーズでおなじみのロバート・ラドラムの小説です。
彼の死後発見されたものだそうですが、どんなのだろうと思って読み始めました。
いやー、流石ですね。ジェイソン・ボーンシリーズを読んだときにも感じましたが、テンポの良さ、ストーリーの緻密さそして主人公の当惑・疑惑といった心の移り変わり、どれをとっても天下一品です。
ただですね。
個人的には、敵役の組織が善意で世界をコントロールしようとするさらには暗殺までする組織というのがちょっと馴染めないのです。
確かにアメリカ辺りにはお金がうなるほど余っていて、いろんな慈善事業をしている団体があるのは理解できるのですが、さらにそれを推し進めて世界中の政府までコントロールしようとしているなんていうのが、以前読んだ『「世界征服」は可能か』でも書いたように悪なんだか正義なんだか、よく判らなくなっちゃうワケですよ。
だからこそなんですが、最後のエピローグが恐ろしく感じてしまうのでしょう。
著 者 ロバート・ラドラム
訳 者 山本 光伸
ジャンル 小説
出版社 新潮社
文庫版 428・396ぺージ
価 格 780・740円
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