イラン革命が起きたのは約30年前の話。その時、アメリカ大使館の占拠事件が起きたのはご存知でしょうか?
私自身、なんとなくそんな事件があったのは知っています。
しかしその事件の首謀者は学生であり1年以上も占拠、大使館員を人質にしていたとは知りませんでした
この本はその事件がどのようにして発生し、どういう経過をたどり終結したかを綴ったノンフィクションです。
人質となった大使館員の人間模様や占拠事件を起こした学生たちが、革命直後の混乱する政治の中で翻弄される様子克明に綴られています。
ただ、読んでいて思ったのが時系列がよくわからないこと。
人質となった人たちのインタビューや著作等から各個のおかれた状況をきちんと伝えようとすることは判るのですが、時系列がいったりきたりしているのでとても混乱しました。
またイランの学生たちの視点からも一部綴られているのですが、それが中途半端。
「なんだかよくわからないけど一応彼らからの視点も書いてみました」みたいなおざなりな記述で、こんな状況なら書かないほうがマシという気も...
読み応えはありましたが、ノンフィクションとしてはちょっとイマイチの構成でした。
著 者 マーク・ボウデン
訳 者 伏見 威蕃
ジャンル ノンフィクション
出版社 早川書房
四六判 446・396ぺージ
価 格 2625・740円
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