でも毎回正義の味方に撃破されてしまっている様子を見て、思ったことがありませんか? 「お前らのやり方じゃ、とうてい無理だ。オレに任せてみろ」と...
そんなあなたにどうやったら世界征服ができるのか、古今東西の事例(?)を元に世界征服について研究したのがこの本です。
事例として挙がっているのは、レインボーマン・ドラゴンボールにバビル2世にガンダムなどなど。なじみ深いアニメなので、楽しく読めました。
しかしこの本は面白おかしく読めるだけじゃありません。
この本の構成が、世界征服という一大プロジェクトを成し遂げる為に何をどうしたら良いかということを検討しているワケなのですが、これがまたプロジェクトマネジメント(PM)の教科書的なのです。
目的(スコープ)を明確にする...つまり世界征服と一言でなく、世界征服してどうしたいのか?
どうやって部下(手下)を管理するのか?資金調達は?
もうPMの世界となんらかわりありません。
そう思って善悪についてはひとまず横に置いておいて、単純に、世界征服というプロジェクトを成功させるためには? そう思いながら読み進むと、だんだんと善悪の区別がおかしくなってきます。
世界征服というプロジェクトを成功させる為には、独りよがりじゃ成功させることはできません。
それなりの理屈・理論なりが無いと手下がついてこないし、ひとりじゃ世界征服をすることはできませんから。
アレ?
そうすると悪役も正義の見方も自分なりの世界を築こう(守ろう)としている点では一緒じゃない?
そういう風に考えると、そもそも世界征服とはどういうコトかという原点に戻っちゃうワケです。そこで論じている内容はなかなか考えさせられます。
楽しく読めて、プロジェクトマネジメントの手法を勉強できて、そして善悪について考える。
最近読んだ本の中ではピカイチの出来映えでした。
お勧めです。
著 者 岡田 斗司夫
ジャンル ノンフィクション
出版社 筑摩書房
新書版 190ページ
価 格 798円
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