この前、藤沢周平のたそがれ清兵衛を読んだし、また時代小説でも読むかなと本屋をうろついていて見つけた本がコレ。
なんでも妻夫木聡主演で映画化される、というより公開中。しかも原作は、結構好きな作家である浅田次郎。
ということで読み始めました
しかしですね。
藤沢修平と浅田次郎じゃ、ぜんぜん方向性が違うワケですよ。
ちょっと読みたいなと思っていた時代小説は、日本情緒あふれた情景の中、主人公が貫く武士道のようなものがベースにあるものいわゆる普通の時代小説だったのですが、この憑神はまったく違います。
はっきり言って、別に時代小説である必要性が無い話なんですよね。
ラストでもっともらしく江戸時代末期に絡めてるけど、乱暴に言うと第二次世界大戦末期でもいいじゃん、という感じ
確かにテンポよく読め、主人公に取り付くやっかいな神々と主人公のやり取りは面白いし、人の生き様というものについて考えられさせる面はあるけど、やっぱちょっと違う。
浅田次郎のプリズンホテルのノリ的に読む本であって、藤沢修平や池波正太郎の延長ではまったくありません。ちょっと肩透かしを喰らいました。
著 者 浅田 次郎
ジャンル 小説
出版社 新潮文庫
文庫版 357ページ
価 格 540円
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