先日読んだ、憑神がちょっと正統派時代小説から外れてたように思えるので、藤沢周平の代表作とも言える蝉しぐれを読んでみました。
舞台は藤沢周平作品によく出てくる仮想の藩、海坂藩。そこに育った少年藩士の成長を描いた物語です。
幼なじみとの友情や淡い恋、父との死別、そして藩内の内紛といろいろな要素が絡み合って、物語は進みます。
主人公の少年が剣の腕を磨き、様々な試練を乗り越え大人になって行く様子を描いた成長物語がベースではありますが、ただそれだけでなく、行間を読むようなところが多分にありますので、読んだ時々によって感じ方がぜんぜん違うでしょうね。
また読んでいて、海坂藩の美しい四季折々の光景が目に浮かぶような気がしました。この話はTVドラマや映画化されているそうですが、一度も見たこと無いのでどのように映像化されているのかとても気になりました。今度、是非、見てみたいと思います。
時代小説としてだけでなく、普通の小説としても素晴らしい作品だと思います。
著 者 藤沢 周平
ジャンル 時代小説
出版社 文藝春秋
文庫版 470ページ
価 格 660円
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