ご存知のように偽札、核開発、ミサイルといったあの国の様子を予言していや、これはノンフィクションだと話題になった本です。買おうかどうしようか悩んだのですが、結局図書館でリクエストして何十人待ちの順番待ちをして読みました。
結論から言うと「買わなくて良かった!」 はっきりいって駄作です。
あんまり私は批判的なことは書かないのですが、この本は例外ですね。
だって話の導入部で読み手をぐいぐい引き込むような文章力は無し、書いていることは政治とはこういう言葉遊びをするんだと言わんばかりの難解な会話。少々鼻につくエリートの描写、まるで「俺はこんなことも知っているだぞ」と著者が自慢しているかのようです。
文書力はともかく、ストーリーは緻密であるかというとこれがてんで駄目。
前半でこれは複線かなと思わせた偽札検知器やICタグの話は、後半にはまったく出てこない。じゃあなんだったんだ。あのエピソードは!と思わず机を叩いてしまいます。
最後にまさしくとってつけたとしか思えない主人公と恋人の話が出てきますが、いきなりそんなエピソードが出てきたって「えっ!なにそれ?」としか思えません。はっきりいってストーリーがめちゃくちゃ。
筆者は推敲してないんでしょうか? 著者は立派な経歴ですが、はっきりいってこんな文章力でもやっていけるのでしょうかね?あの組織は。
編集者や出版社も何をやってたのかこんな習作で商売しようなんていい根性しています。
もう実際のあの国のタイミングだけで話題になったとしか考えられない本です。あの事件から話題になりそうだから、、とりあえず出してしまえ!ってね。
ここまでお勧めできない本は久しぶりですね。私は買わなかったから、まだいいものの、もし買っていたら怒り心頭でしょう「金返せ!」ってね。
著 者 手嶋 龍一
ジャンル 小説
出版社 新潮社
四六版 336ページ
価 格 1,575円
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