読んでから訳者後書きで知りましたが、この本、あの"ボーンコレクター"のシリーズだったんですね。
映画化された"ボーンコレクター"ですが、どうも記憶が羊たちの沈黙とごっちゃになっています。見たような見てないような..
調べてみたら、映画はデンゼル・ワシントンとアンジェリーナ・ジョリー主演ということなので、どうやら見ていないみたいですね。
話は図書館で調べ物をしていた少女が襲われたところから話が始まります。
なぜその少女が襲われたのか?行きずりの犯行なのか?それとも...
ライムとアメリアを初めとする主人公達は、現場に残された証拠を丹念に調べ、プロファイリングをして犯人像を絞っていきます。
他の推理小説ものと違うのは、現場に残された全ての証拠から推理していくので、関係ない証拠にも惑わされます。従って、犯人像がその度にぶれるワケですが、それが主人公と読み手とが一体感を醸しだし、まるで自分が推理しながら犯人に迫っているような感覚を味わえます。
さらにはじっくり証拠を拾い上げ、考えるだけではありません。犯人に出くわし、追跡する場面ではテンポ良く読者を引き込むという、メリハリの効いたところも良かったです。
前に書いたようにシリーズものではありましたが、特段前作を読んでいなければ困るようなことはありませんでしたし、結構細かい章に分かれているので、通勤途中などで細切れに読むのもラクでした。
こんどシリーズ前作を読んでみようと思います。
12番目のカード
著 者 ジェフリー・ディーヴァー
訳 者 池田 真紀子
ジャンル ミステリー
出版社 文藝春秋
四六版 532ページ
価 格 2,200円
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