最近、この映画に絡んで、一部キリスト教徒のボイコット運動、バチカンの反応やイギリスの閣僚の一人がオプス・デイだとかニュースを賑わしていますが、私が気になったのはカンヌでの反応。宗教的議論は置いといて、映画として面白いかどうか。
私は昨年、小説を読んで面白いと思っていたので、どんな感じだか非常に気になっていたのです。
でも先行試写会では酷評ですが、一般公開では絶賛とわけわからん。
やっぱ観てみないと、ということで昨晩、レイト・ショーで「ダ・ヴィンチ・コード」を観てきました。
結論からいうとこの映画、あまり面白くありません。
あっ、念のため書いておくと、初めに書いたように小説は面白かったですよ。面白くないのはあくまでこの映画です。
理由はいくつかあります。
この話の醍醐味というのは、息詰まる状況の中での謎解きです。
その謎解きの描写があまりにも陳腐なんですよね。演技がどうこうというより演出がダメですね。
キャスティングのミスもあるかも知れません。
私はトム・ハンクスはビックに出演した時からのファンなので、あまり悪い言い方はしたくないのですが、やっぱりどうみても大学教授に見えません。人によって感じ方は違うと思いますが、トム・ハンクスはどうみてもアメリカの中流の平均的なおっちゃんにしか見えません。そこがトム・ハンクスの持ち味だと思うのですが、今回はどう贔屓目に見ても謎解きをするような知的な大学教授には見えないのです。
もう一つの理由は、脚本のまずさ。
小説ではもう先がどうなるかわからない、息もつかせぬスピードでグイグイと引き込まれましたが、そのテンポの良さが感じられないのです。テンポの悪さの割には、導師の正体、オプス・デイとバチカンの関係など観ている人ににはよく理解できないと思います。私は事前に小説を読んでいたので判りましたが、読まずに映画を見に行った人にはまったく判らないのではないでしょうか?
そもそも日本においては、シオン修道会、テンプル騎士団、聖杯、アーサー王伝説とかの知識が皆無といっていいでしょう。それらを知らないくらいだならまだしも、マグダラのマリアといってもまったくワケが判らないのでは?
キリスト教が身近な国においては、例え映画がおもしろくなくても話題にはなるでしょう。でも日本においては、『「海外で話題になっている」ということで話題になっている』だけですから、映画として面白くないこの映画はすぐダメになるのではという気がします。
と悪いところだけあげるのもなんなんで、一ついいところをあげるとすると、非常にわかり易い英語の台詞だったので、英語の勉強にはもってこいかも(笑)
つまるところ小説を先に読んでから映画を観ないと話がよく判らないし、先に見てしまうと映画のアラが目立ってしまう。矛盾ですね。
私はこの映画お勧めできません。
yomikakiさん☆こんばんは
この映画が賛否両論なのはしょうがないかなぁって思います。
カソリックから叩かれるのは間違いないし、
あの長い原作を2時間半の映画にまとめるのはちょっと無理だよねぇ!
>トム・ハンクスはどうみてもアメリカの中流の平均的なおっちゃん・・・
その通り、だからこそアメリカの教授としてピッタリだと思うんですよ。
太ってないだけでも、マシな方じゃないかと思います。
投稿情報: Roko | 2006/05/28 21:54
Roko さん、こんにちは。
この映画に関する議論は二つあるかと思ってます。一つは宗教的議論、もう一つは映画として優れているかどうか(面白いか)どうかです。
私は前者はともかく、後者はやっぱり事前に小説を読んでいない人にも分かるような脚本、ストーリーであることが大前提だと思います。
その点でこの映画はどうかと...
必ずしも原作の内容全てを盛り込む必要は無いと思います。たとえば銀行の支配人やサン・シュルピス教会のシスターのエピソードは削ってでも、もう少し分かりやすくすべきだったのではないかなぁと思います。
なぜシスターが必死こいて電話してたのか原作を読んでいない人にはまったく分からないでしょう。
>トム・ハンクス
むむむっ...
そっか、そういう見方もあるのか。
やっぱ人によって、感じ方は違うんですね。
投稿情報: yomikaki | 2006/05/29 07:34