4月7日が何の日だか知ってますか?
12年前の今日、ルワンダで民族大虐殺が始った日です。前の日にルワンダ大統領の乗った飛行機が撃墜されたことから、約100日間に及ぶ民族間の悲劇が始りました。
私は年初にホテルルワンダを観て、それから最近この本を知り手にとりました。
そして何気なくルワンダについて改めてネットを調べていて、4月7日という日を知りました。単なる偶然なのでしょうが、そのタイミングにちょっと驚いています。
この本は、ルワンダから隣国ザイールに逃れた難民を支援する為に派遣された自衛隊を、取材したカメラマンが書いています。つまり、時間的には「ホテル・ルワンダ」での主人公ポールが難民キャンプにたどり着いたその後の話にあたるわけです。
当然、自衛隊の取材の為に派遣されたカメラマンですから、自衛隊の難民支援についての記載もありますがどちらかというと、それより現地の人の様子、体験したこと、ルワンダで何が起こったのかということが中心に書かれています。
フツ族に家族を殺されたツチ族の人。
逆にツチ族が政権を握った事から身の危険を感じて難民となったフツ族の人。
帰国をしようとしたが、ツチ族の報復を受け命からがら再び難民となった人。
そこには実際にそのような境遇を経験した人からしか、感じ得ない何かが書かれています。
またフツ族によるツチ族の虐殺現場、また逆にツチ族からフツ族への報復の現場。
虐殺からかなりの日数が経つ現場ですが、その様子は読んでいて身の毛のよだつような生々しさが伝わってきます。
正直、文章自体は話題がアチコチ飛んで読みづらいのですが、平易な言葉でかかれた普通の人の視点で書かれた文章はすっと頭に入ってきます。
この本は第五回開高健賞奨励賞を受賞しているのですが残念ながら一度絶版になり、最近また復刊となりました。
ホテル・ルワンダで見て、より一層「そこで何が起きたのか」を知りたくなった時、お勧めの一冊です。
著 者 吉岡 逸夫
ジャンル ノンフィクション
出版社 牧野出版
四六版 234ページ
価 格 1,575円
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