縄文海進期と言われる時代、東京は固い洪積層の台地に海が進入し、複雑に入り組んだフィヨルド状の入り江がある土地だった。やがて海が後退し、入り江だったところは沖積層と言われる砂の多い土地になった。
これら土地の違いを描いた地図、アースダイビングマップを持って東京を歩くと、いろいろなコトがわかってくる。
というのがこの本のテーマです。
確かに本来の意味での風水等をあげるまでもなく、その土地の持つ地力というか、湿気、風通し、気温などは人間の生活、その他いろいろに影響を与えるであろうことは容易に理解できます。
しかし...
ただ、この本では、ちょっと著者の妄想が突っ走り気味のところがあり、ちょっとついてけない部分が多々あります。 たとえば、地下鉄のエロチズム...はぁ?ってな感じです。
水際の土地と高台の土地、その土地の力自体は結構、私も感じるところがあるのけどね...
でもそういったところは軽く流すと、非常に興味深く読めます。
新宿という街の成り立ち、四谷怪談の話のできた経緯、銀座という街が醸し出す雰囲気はどう作られてきたのか、興味深い話がたくさん載っています。
読む前に期待していた方向とはちょっとずれてましたが、東京という街の成り立ちについて理解を深めるに最適な一冊だと思います。
やっぱり、もう少し妄想を止めていてくれたら...
著 者 中沢 新一
ジャンル ノンフィクション
出版社 講談社
四六版 252ページ
価 格 1,890円
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