昨年のプロ野球界、合併、売却、新規参入といろいろと騒ぎになりました。
「たかが」発言、スト決行。
騒然とした中で、あれほどプロ野球について議論された年もなかったのではないでしょうか?
いまや、あの騒ぎはなんだったんだろうという、落ち着いた雰囲気ではありますが、プロ野球を取り巻く環境が大きく変わったわけではありません。
むしろ今こそ真剣に、プロ野球について議論し改革すべきでしょう。
この本の著者 小林さんは、東大出身のプロ野球選手、そして退団したあとはアメリカでMBA取得、そして今や大学の助教授という異色の経歴を持ちます。今や日本のスポーツビジネスを研究の第一人者といえ、昨年もだいぶTVにでていたようですから御存知の方も多いのではないでしょうか?
この本ではその小林さんが、日本のプロ野球とJリーグ、アメリカのMLB、NBA、NHL、NFL等の各種プロスポーツのビジネスモデルを、数字を示して解説しています。今だから冷静に見れるその数字は説得力があり、また昨年の騒ぎの発端となった一つである1リーグ構想は、あながち間違った方向ではないように思えます(球団数はともかく)。
また昨年は私も完全ウェーバー制も導入すべきと思いましたが、この本を読むとそもそもドラフト制度も止め、球団の保留権も止め完全に自由にした方がいいような気がしてきました。
でもやはり感じたのはプロ野球はいろいろな人の想いがあり、簡単には今のスキームを変えられないということ。いい悪いはともかく、あのナベツネでさえできなかったのですから。
肝心なのは、オープンであること。
怪しいドラフト制度、怪しい入場者数、それに密室で繰り広げられる議論は無くし、オープンであることがなにより重要であるとますます思いました。
そういえば辞めるといっていたコミッショナーは、今なにしてるんでしょう?(笑)
著者 小林
ジャンル ノンフィクション
出版社 宝島社
四六版 238ページ
価格 1,260円
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