このHPのタイトルである読書発電所は、木曽谷にある1932年に建造された実存する関西電力の水力発電所の名前からもらってます。
この発電所は日本の近代遺産として国の重要文化財に指定されています。
水力発電というとダムがあって利権や環境破壊といったイメージ、また自然を破壊しまわりの風景にそぐわない無骨で巨大なコンクリートのえん堤を思い起こします。
もちろんこの発電所にもダムはありますが、なにせ昔のもの、黒部ダムのような巨大なコンクリートではありません。
また建造から70年以上の歴史の重みで、むしろまわりの風景になじんでいるようにさえ思えます。
このあたりは非常に水が綺麗なところで、木曽川支流の柿其渓谷や阿寺渓谷の水の青さはハッとするくらいです。
青というよりエメラルドグリーンといったほうがいいかもしれません。
実はその阿寺渓谷にダムを作る話があります。
中部電力の計画している木曽中央水力発電所です。この発電所は揚水式の発電所で、夜間の剰余電力を利用して下のダムから上のダムに水を汲み上げ、昼間は上のダムから下のダムへ水を送って発電する、いわば電力需要の調整役のようなものです。
ただこれには反対意見が多く、環境破壊だの不要な施設だの言われてきました。
地元をはじめ沢山の人たちが反対運動を行っています。私もせっかく水の綺麗なところなのにもったいないなぁと思ってました。ただ読書発電所だって、程度の問題はあるにせよ環境破壊をして出来たものであるのは間違いなく、複雑な気持でいたのでした。
ところが、今朝のニュースを見ると中部電力がダム計画を見直すとの記事が...。これは反対運動の成果か?と思いましたが、よく見ると例の東京電力の不祥事のあおりで中部電力が原発計画を見直し、それに伴い揚水式水力発電の計画を見直した というのが真相のようです。むろん反対運動も一つの理由であることは間違いないでしょう。発端が思わぬところからのものになりましたが、いずれにせよ喜ばしいことです。
柿其渓谷・阿寺渓谷、何もないですが綺麗な水と自然があります。一度行ってみては如何でしょうか?
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