毎年、年末に発刊されるジェフリー・ディーヴァーの新作。
今回はニューヨーク市警のリンカーン・ライムシリーズではなく、そこからスピンアウトしたカルフォニア州捜査局のキャサリーン・ダンスシリーズです。
キャサリーン・ダンスシリーズも本作で二作目ですが、今回はこのシリーズというだけでなく、ジェフリー・ディーヴァーの作品としても異色な気がします。メインストリームの事件とキャサリンの母イーディスに降りかかった殺人の嫌疑、この二つが同時並行で進行し、主人公のキャサリン・ダンスも呼んでいる方も何がなんだかワケがわからなくなってきます。
元々ディーヴァーの作品はグイグイと読み込ませつつも、事件は展開に展開を重ね、最後にどんでん返しという感じではあるのですが、ちょっと今回はやり過ぎの感も
それに今回の話は、ネット上のオンラインゲームだったり、ブログといった仮想空間上の、いわゆる炎上だったりイジメだったりを取り扱っているのですが、正直それらに対する知識がプアなのかなんか違和感があるんですよね。むろん日本とアメリカの差はあると思いますが、それにしても...
最後のどんでん返しも、たしかに意外な犯人ではあるものの、ちょっとソレは反則じゃないのという気がしなくもない。
今までのディーヴァーの作品が面白かっただけに、ちょっと残念なきがします。
ロードサイド・クロス
著 者:ジェフリー・ディーヴァー
訳 者:池田 真紀子
出版社:文藝春秋
四六版:512ページ
価 格:2,500円
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