きのうの世界で懲りた恩田陸ですが、その後hani0さんやRokoさんに勧められた夜のピクニックを読んでみました。
うん、こっちはすっきりすんなり読めましたし、さすが本屋大賞を受賞したというだけあって、なかなか面白かったです。となると、あの「きのうの世界」が実験的な小説だったのかなぁ...
全校生徒が夜通し歩き続けるという北高の年に一度の歩行祭。
80kmを歩くという過酷さと夜通し歩くという非日常的な行事。高校生活最後の歩行祭で貴子はあるい賭けをした。
という、まあ青春モノ(あまり話の雰囲気が若々しくないですけど)です。この歩行祭という行事、著者の恩田陸の出身校水戸第一高校の行事「歩く会」がモデルらしいのですが、こういう行事をする学校ってホントにあるんですね。
むろん私の高校にはそういった行事は無かったのですが、子供の頃に入っていたボーイスカウトで「オーバーナイトハイク」という似たような行事がありました。
夜の知らないところにハイキング(といっても危なくない平地ですけど)に行くというのは、子供心にもウキウキと、そして特別な体験だった覚えがあります。
だからこそ私も判るのですが、歩いている時の様子がとてもリアルに感じられて「きのうの世界」とは違って、物語の中へすっと入っていくことができました。
例えばこういう時の心の動きについての描写。
普通こういう風に歩いている時は、一緒に歩いている人と会話をしながら歩きます。けれどこういう風に普段寝ている時間に歩くと、ふと気付くと黙りこくって、色々考えを巡らせながら歩いてる時間って意外に多いんですよね。そういう自省の表現が多いのがとてもしっくりきました。
かと思えば、一種のお祭り事ですから、そういう自省をすることなくハイテンションでしゃべりまくるヤツもいるワケで、そういったいろいろな登場人物が出てくる点が、さらに私の中でリアリティさを増し、没入できる要素になった気がします。
いづれにせよ「きのうの世界」とは、がらりと違った話で、もう少し恩田陸の話を読んでみようかな?という気になりました。
著 者:恩田陸
出版社:新潮社
文庫版:455ページ
価 格:660円
yomikakiさん☆おススメして良かった!
恩田さんの作品はタイプが色々あって、最近のはわたしもギブアップ気味です。(^_^;)
yomikakiさんにお薦めなのは「ドミノ」と「Q&A」かなぁ?
投稿情報: Roko | 2009/08/15 10:07
たまに読書しますけど、
yomikakiさんとかぶらないなーと思っていました。
で、やっとこさです。
これ、読みました。
ルクセンブルクにいる時に、
ホストファミリーのママさんが、この本と「ボクと1ルピーの神様」を勧めてくれて
一気に2冊読んだんですが、
「ボクと1ルピーの神様」がおもしろすぎてわたしの中で霞んでしまっています…(笑)
投稿情報: humming | 2009/08/16 00:58
Rokoさん
やっぱろ恩田さんはいろんなタイプの話があるんですね。「ドミノ」と「Q&A」、覚えておきます。
hummingさん
ようやくかぶりましたか(笑)でも霞んでしまっているのは残念。
「ボクと1ルピーの神様」って映画「スラムドッグ$ミリオネア」の原作かな?映画はちょっと見たかったんで、読んでみますね。
投稿情報: yomikaki | 2009/08/16 08:49