この本は「誰もが知っている、でも誰もが覗いたことのない38の仕事案内」というサブタイトルの通り、本当に様々な職業についてのルポです。
その職種とはゴキブリの駆除研究者、養豚所長、プロ野球スカウト、霊柩車制作者、AVモザイク処理オペレーターや流しのはんこ屋まで実に様々。
なんとなくその存在は認識していても、あまり深く考えたことのない仕事について、その仕事内容の詳細だけでなく、そこで働く人々がなぜその仕事をするようになったのかその経緯についても書かれています。
この本の内容は日経ビジネスオンラインで連載されていて、結構楽しみにしていた連載の一つなのですが、改めて活字で読み直すとその職業に生きる人たちの生き様のようなものが生々しく感じられて、38のルポルタージュというよりドラマと言った方がしっくりきます。
どちらかというそれらの仕事をしている人は、自らその世界に積極的に飛び込んだというより、いろいろな人生経験を積んだ上で流れ着いた仕事であり、そしてそれをいつの間にかに極めてしまったという人がほとんど。(もちろん、初めからその仕事を選んだ人もいます)
まさに表紙のデザインにある「シゴトは選ぶな、選ばれろ。」です。
我が身を振り返って見ると、転職こそしないものの、M&Aの激しかった時代をくぐり抜け部署を異動し、ふと気付くと今やっているシゴトは昔では考えもしなかったコト。
やっぱり「選ばれて」いるのかなぁ...
世界は仕事で満ちている
著 者:降旗 学
出版社:日経BP
四六版:372ページ
価 格:1,575円
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