まだ見知らぬ世界への冒険旅行記を読むのはとても面白いですよね。ただ近年ではどこも征服済...
やっぱただの旅行記じゃなくて冒険的要素が入るのなら一番乗りじゃなくっちゃと、思っていたところで出会ったこの本。
いや一番乗りじゃなくても、現代社会だっていかに現地の世界に入り込めるのか、そして何より旅行そのものを楽しめるかどうかが重要なんだ。本当にこの本を読んで本当にそう思えました。
この本の著者は1983年にボルネオを訪れてきます。ボルネオの中でも子他キナバルなどの都会ではなく、ジャングルの密林奥深くへ船をチャーターし人を雇い、原住民の村を訪れたり山を登ったり...
もちろん1983年ともなると、もはや未開の地というわけでもなく、前駆者が当然います。その人たちの著書をバイブルにして、オハンロンと相棒のフェントンはジャングルの中に入っていくのです。
あとがきにもありますが、彼らはこの旅行をユーモアを忘れずに綴っているので、まるで弥次喜多珍道中のよう。それがとても楽しそうで、読んでいるほうも楽しくなります。
現地の人たちとの人情味ある交流(というより酔っ払いの交流?)は、また大笑い。
1983年というと今から四半世紀前ですから、さらに現在の状況は変わっているかと思いますが、旅行で行ったコタキナバルのちょっと奥のジャングルにはこんな世界があったんだなぁと面白く読めました。
著 者: レドモンド・オハンロン
訳 者: 白根美保子
ジャンル:ノンフィクション(紀行)
出版社:めるくまーる社
四六版:354ページ
価 格:1,854円
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