GM、ポルシェ、そしてフェラーリをデザインした日本人 Ken Okuyama こと奥山清行さんの初の著書です。
デザイナーというクリエイティブな仕事を極めた人の著書でもあり、またタイトルに惹かれて読んでみました。ただ結論から言うと、タイトルと本文の関連は全くわからず...
なんとなく、フェラーリをデザインすることも鉄瓶をデザインすることも根幹では一緒なんですよ、なんてメッセージがこめられていることのは見た瞬間わかりますが、本文中にはそういう記述はほとんど無し。かろうじて、「おわりに」の冒頭の4行にそういう記載があるだけ。
ちなみに本文中にも鉄瓶についての記載は終わりの方に1ページだけしかありません。
ただ、だからと言ってこの本が読むのに値しないかというと、まったくそんなことは無くむしろ考えさせられるところが多数ありました。タイトルにやられた、って感じですね(笑)
この本は7章からなっていますが、もう少しおおまかに分けると4つに分かれます。
第1章~3章までのイタリアという国について、4章・5章では車をデザインするということ、そして最後の7章には日本の職人文化について触れられています。
一番考えさせられたのは、3つ目のパート「第6章 クリエイティブであり続けるために」という章です。
もちろん奥山さんはデザイナーですから、常にクリエイティブな仕事をし続ける為の仕事法について書かれているのですが、これはデザイナーでなくとも参考になるのでは無いでしょうか?
いや、書かれていること自体は目新しいものではありません。
例えばブレインストーミングだったり、しっかり自分の意見を持つということだったり...
ただ、そこに書かれていることはいわゆる手法の紹介ということでなく、その手法が持つ意味を奥山さんの言葉で書かれているからこそ、すーっと頭の中に入ってきた気がします。
はっきり言って1章~3章までの話は、もっと詳しく楽しんで読める本がたくさんあると思います。けれど、それ以降の章、特に6章は読んで為になりました。
著 者 奥山 清行
ジャンル ノンフィクション
出版社 PHP研究所
四六版 193ぺージ
価 格 1,365円
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