死体農場って、ご存知でしょうか?
パトリシア・コーンウェルの検屍官シリーズで取り上げられたこともあり、ご存知の方も多いのでは無いでしょうか?
世界で唯一、アメリカのテネシー州ノックスヴィルにあり、文字どおりに人間の死体(献体)を放置して、その腐敗の様子やうじ虫などの生育状況などを観察するという研究施設です。
想像するだけでおぞましいのですが、ここで得られたデータは犯罪捜査に使用され、犯罪者を追及するのに非常に役立っているのです。
この本ではP.コーンウェルによる序文に続き、死体農場の"農場長" ビル・バスが実際に対応した事件について語られていきます。それらの事件の間には関連は無いのですが、この研究施設を開設を思いついたきっかけとなった事件、実際の犯罪捜査と研究成果との関連がわかりやすく語られ、思わず引き込まれてしまいます。
ビル・バスの話を元に、科学ジャーナリストのジョン・ジェファーソンが文章を起こしたノンフィクションですが、非常にすっきりとまとめられていて読みやすいですね。
日本のノンフィクションってこういうプロのライターが書いたノンフィクションって少ない気がします。まっ、そもそも日本でノンフィクションというと、所謂タレント本やエッセイ本、HowTo物が主流で、まともなのが少ないんですけど...
私自体は検屍官シリーズはひとつも読んだことが無いのですが、面白かったですよ。
(パトリシア・コーンウェルより、サラ・パレッキーの方が好きなので)
著 者 ビル・バス / ジョン・ジェファーソン
訳 者 相原 真理子
ジャンル ノンフィクション
出版社 小学館
四六版 286ページ
価 格 2,205円
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