真介はリストラ請負会社の社員。
リストラを実施する会社から対象者のリストをもらい、面接を行って自発的に辞めて頂く。当然指名解雇は違法であるので言い方は慎重に、そして本人にも納得頂くように...
でも首切り屋とさげずまれ、首切りにあった人からは恨まれる損な役回り。対象リストを出した会社の人事対象者も同罪であるはずなのに
セクハラや横領くさいことをやっているリストにあって当然の人であったら、誰も何も思わないでしょう。
でもリストにのっているのはそういう人ばかりではありません。何の落ち度もない、むしろ優秀な社員であっても部署間の人数のバランスでリストにのった人。企業合併のあおりで閑職に追い込まれた人などもいます。
そういったリストにのった優秀な女性総合職、オタク道まっしぐらのおもちゃ会社の研究員、高校時代のクラスメイト、イベント会社のコンパニオン、そしてレコード会社のプロデューサー。
全部で5人のリストラ対象者と真介とをめぐる人間模様のお話です。
とかく悲壮感漂う重い話になりそうですが、面接では真っ直ぐで真摯に対応し、地の性格はちょっと軽妙な主人公、真介の性格設定がそうは感じさせません。
幸いにしてリストラにあったことはありませんが、リストラ対象者となった時、自分はどうするんだろうと思わず考えちゃいました。
著 者 垣根 涼介
ジャンル 小説
出版社 新潮社
四六版 317ページ
価 格 1,575円
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