通貨とは国家のパワーであることを実感させる、政治経済学の本です。
どのようにしてドルが基軸通貨として成りえたのか?中国という国はなぜ一般の経済学の常識が当てはまらないか?といった話を基軸に、いろいろなエピソードを織り交ぜて綴ってます。
小難しい話が多く飛ばし読みのところがありますが、ところどころ、読み物として興味深いエピソードが盛り込まれてます。
例えば朝鮮戦争時のの話。
朝鮮戦争勃発の1950年6月25日に、韓国(米国)は北朝鮮に紙幣の原版を奪われてしまったことはご存知ですか?戦争相手の紙幣の原版を持つということは、自軍に必要な物資を相手の紙幣で、つまり自分の懐を痛めずに調達できることだけではありません。大量に紙幣をばら撒くことによりインフレをおこし相手の経済に打撃を与えることもできるのです。
そこで米国(韓国)は日本銀行に命じ、それを受けた日銀は徹夜の突貫作業で新紙幣のデザイン・印刷を行い、7月14日には二千万枚の紙幣を引き渡したのです。
そんなエピソードがあったなんてちっとも知りませんでした。
でも全般的に、やっぱり小難しいかな(笑)
著 者 谷口 智彦
ジャンル ノンフィクション
出版社 日本経済新聞社
四六版 334ページ
価 格 1,890円
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