先日読んだジェフリー・アーチャーの獄中記の続編です。
イギリスの刑務所は、読めば読むほど日本の刑務所とは違っているように思えます(たぶん)。
イギリスでは受刑者はカテゴリーAからDに分類されてます。
カテゴリーAは逃亡を可能とする資金を持ち暴力的で危険な受刑者、カテゴリーBはそれ以外の暴力的で危険な受刑者、カテゴリーCは再犯者や重罪ながら非暴力的な受刑者(大半の受刑者はここに分類)、カテゴリーDは初犯で暴力行為の履歴のない受刑者のことを指すそうです。カテゴリーDの受刑者を収監する刑務所には開放型のものもあり、毎日塀の外で働く事も許されているとか。
当然、ジェフリー・アーチャーはカテゴリーDに分類されて当然なのですが、濡れ衣の告発の影響で、カテゴリーCの分類のままで扱われます。
本編 煉獄編はカテゴリーCの刑務所 ウェイランドで過ごした日々(収監後 22日目から89日目まで)の話です。(ちなみに前編である地獄編は導入刑務所であるベルマーシュ刑務所での話になります)
このあたりになると、ジェフリー・アーチャーも刑務所生活に慣れ、さまざまな受刑者と話をして普段では知りえない色々な話を色々と聞きまくり、一種の余裕さえ感じられます。
なにせ刑務所の裏を知って規定以上の買い物をしたり、独房のペンキの色の塗り替さえやってます。他にも奥さんへのクリスマスプレゼント(エメラルド!)を受刑者を通じて買ったり... 無論、書いていない部分での不安・その他はあるのでしょうけれども。
でもやはり塀の中と外とじゃ自由度が違います。
収監中にちょうど発生した911のテロ。憤りを感じても、自分が何か行動を起こしたくても塀の中。
外にいたらいろいろと活動できたろうに...
本編もジェフリー・アーチャーの人間臭さが際立つノンフィクションで、面白かったです。
獄中記 煉獄篇
著者 ジェフリー・アーチャー
訳者 田口 俊樹
ジャンル ノンフィクション
出版社 アーティストハウスパブリッシャーズ
四六版 374ページ
価格 2,000円
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