今回、旅行のお供の本の一冊
藤原信也のHPやその他の雑誌等に掲載されたエッセイ集です。
この本のなかだ印象に残ったエッセイは、「青という色」。
藤原さんが世界一の美しさと評する与那国の海の色は、エメラルド色も含めさまざまな色を見せる。それは水が透明な青であること、そして海の底の色が美しいこと。
なるほどなぁ~と思いつつ、目の前のボルネオの海を眺めていました。
その他のエッセイは、アメリカ、そしてアフガニスタンについてが大きな基軸となっています。
昔、ソ連が介入する前の30年前、カンダハールという南の都に到着した時のこと。砂漠の中に白昼夢のように忽然と姿を現すオアシス。下痢で脱水症状を起こしていた藤原さんを果樹園に連れて行き果物を食べさせてくれたアフガニスタンの農民。その時のメロンの味が忘れられないといいます。
ソ連の介入、タリバーンによる政治、そしてアメリカの介入。
藤原さんをあたたかく世話してくれたアフガニスタンの農民たちも、難民となってしまいました。アメリカこそ正義を掲げていますが、ミサイルを撃ち込みつつ食糧投下を行なうという偽善。その食糧は自分たちの空虚な食文化を押し付けるという恥さらしな行為です。
結構毒舌なエッセイですが、アメリカという国そして日本という国を振り返ってみるよいきっかけになりました。
空から恥が降る
藤原信也 著
ジャンル フォトエッセイ
発行 文芸春秋
文庫 309ページ
価格 800円
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