プラハの春で一躍作家デビューを果たした元外交官の春江一也の本です。
主人公は潰れた銀行の元重役。責任をとり服役中にふと思い出した幼いころの思い出。それはだんだんと鮮明なものとなってくる。自分の生まれた場所、育ててくれた人の面影。自分は何のための生きているのか?どう育てられたのか?
無一文で出所した彼は幼い頃の僅かなる思い出をたよりに、フィリピンのカリナンへと旅立つ
「プラハの春」でもそうだったように、日本とフィリピンの史実を軸に、日本とフィリピンとの二つの話が織り成す構成は見事だと思います。歴史的事実や現在の国情など内容はかなり濃いのですが、ストーリーに引き込まれ、一気に読んでしまいました。特にラストでは残り枚数が気になって、どうなるのだろうと予想をつけさせませんでした。
春江一也 著
ジャンル 小説
出版 集英社インターナショナル/発売 集英社
448ページ 四六判
価格 1,600円+税
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