あの凄惨な光市の母子殺人事件。その被害者である本村洋さんの事件から、差し戻し広島高裁での判決までの3300日を追ったノンフィクションです。
以前も書きましたが、広島高裁の判決後の本村さんの記者会見。被害者としての思いがありながら、理路整然としたその会見模様にとても頭がいい人だなと感じたことを覚えています。
そこで興味を持ち、殺された側の論理を読んだわけなのですが、そちらの方はまだ裁判が終わっていない状態で出版された本でしたし、光市の事件だけの話だけではありませんでした。
そこで今回、光市の母子殺人事件だけにフォーカスし、広島高裁の判決後まで追ったこちらの本を読んでみたのです。
こちらの本はタイトルの通り、は裁判そのものというより事件後の本村さんの戦いについてフォーカスを当てています。相手は「犯人」でもなければ「司法」でもない「絶望」です。
続きを読む "なぜ君は絶望と闘えたのか / 門田 隆将" »

今年映画化されたクライマーズハイ。
横山さんの本は今まで読んだことが無かったのですが、「半落ち」や「出口のない海」等、続々と映画化されるに当たって読んでみました。
話はあの日航機墜落事故を題材に、地元新聞の記者である主人公が、事故時と事故から十七年後との二つの時間軸を交差させながら進みます。
さすが元新聞記者だけあって、話の構成や文章力は素晴らしく、著者自身が体験したであろう”修羅場”の雰囲気がぐいぐいと伝わってきます。
続きを読む "クライマーズ・ハイ / 横山秀夫" »
半世紀前に独立したアフリカの国々。
豊かな自然、豊富な資源を持ちその未来は明るいはずだった。しかし現在の状況は...
アフリカという大陸にはなぜ失敗国家が多いのか?という点を30年間に渡り追い求めた元新聞記者である著者のレポートです。
どうしてもアフリカ関連のニュースというとジンバブエの超ハイパーインフレやスーダンのダルフール問題、ソマリア沖の海賊などネガティブなものばかり。考えてみると、ここ数年どころか長い間、アフリカ関連の話題で明るいモノがあった記憶がありません。
続きを読む "アフリカ・レポート / 松本仁一" »
ジェフリー・ディヴァーのリンカーン・ライムシリーズの第三作です。
ただこの作品がちょっと異色なのは、舞台がニューヨークではなくノースカロライナであること。 脊椎損傷によって全身不随となったライムが、手術を受けに行ったノースカロライナのパケノーク郡で地元警察の要望により、誘拐事件の操作指揮を執るというストーリーです。
2002年度版このミス10 11位かつ2001年文春ミステリーベスト10 3位だそうですが...しかし、私が読んだライムシリーズの中で一番面白くなかった。なんでなんだろう?舞台がニューヨークじゃないから?
続きを読む "エンプティー・チェア / ジェフリー・ディヴァー" »

朝日新聞のアフリカ特派員であった著者が、アフリカの各地で取材の傍ら泊まった宿について綴ったエッセイです。
ジンバブエの想像を絶するハイパーインフレ、ルワンダやダルフールにおける虐殺など、とかく暗いイメージの報道ばかりですが、そんな報道でない等身大のアフリカとはどんなところなのか、寝るという行為を通してアフリカについて語ったエッセイがこの本です。
続きを読む "アフリカで寝る / 松本 仁一" »
そのまんまタイトル通りの本です。
フェルメールはご存じ寡作の画家で、現存する絵は30数点。となれば全部見て回ることも可能だろうという企画の本です。厳密に言うと、盗難にあって行方知らずの「合奏」など4点は見ていないのですけど...
この本は絵についての記述か主眼で、旅そのものについてはあまり触れられていません。
しかしフェルメールの絵画を所蔵している美術館がある都市毎に章立てされていますし、所蔵されている美術館の略歴や街の雰囲気等も書いてありますので、とても旅心がそそられます。
もし旅行先でフェルメールを見たいのであれば、この本がとても参考になるでしょうし、実際、この本を読んで出かける人も多いのじゃないでしょうか(他館への貸し出しには十分注意が必要ですけど)
続きを読む "フェルメール全点踏破の旅 / 朽木 ゆり子" »
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